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2015年4月19日日曜日

Valiant その3 -Archer & Armstrong-

その2をやったのがいつだろうと見てみたら去年の10月…。なんとか続けようという意思だけはあるので気長に見守ってやってください。しかしなんとかもう少し頑張らなければ…。

というわけでValiantその3はこちら『Archer & Armstrong』となります。新生Valiantから2012年5月にまず『X-O Manowar』がリリースされ、6月に『Harbinger』、7月に『Bloodshot』、そして続いて8月に4番目の作品として出たのがこの『Archer & Armstrong』です。


少年は今日、生まれ育ち、自分を鍛えてくれた施設から旅立つ。父、母、そして兄弟たちに祝福されて。少年の名はArcher。彼は、産まれてから今日まで信じてきた教義のために、そして自分を育ててくれた教団のために、ある栄光ある任務を果たすために旅立つのだ。その任務とはある男の暗殺…。

初めて見る大都会に戸惑いながら探索を始めるArcher。出立前に手渡された”聖なる遺物”が指示された地区に入るにつれ輝きを増し、ある酒場へと彼を導く。混雑した店内に入ると、遺物はさらに輝きを増し、ある方向に向かって光を伸ばす。その先にいる人物を標的と見做し、襲い掛かるArcher。店内はたちまち混乱に。優れた身体能力で戦うArcherだったが多勢に無勢。その時、店内にいた巨漢が加勢に入る。騒ぎが収まり再びArcherが遺物を出してみると、実は光が指していたのはその巨漢。彼こそが標的の男、Armstrongだったのだ。

今こそ聖なる任務を果たすとき、と勇んで戦いに臨むArcher。だが、その時店内にガスが放り込まれ、2人はともに意識を失いマスクをかぶった謎の集団に連れ去られる…。

Archerが目を覚ますと、そこは謎の建物の中の一室、壁に鎖で縛られたArmstrongとともに監禁されていた。室外に脱出したArcherが見たものは異様な獣の仮面をかぶった者たちによるセレモニー。そして、彼らとTV画面を通じて話す両親の姿だった…。

Armstrongは、遥かな太古、強大な力を得られるが世界のバランスを崩す危険な装置Boonの発動を阻止しようとして、それに巻き込まれ、不死人となった男だった。以来彼は、その力を得ようとする様々なものの手からBoonを守りながら、1万年以上の時を生きてきている。そして、今また、Archerを育てた危険なカルト教団がその力に手を伸ばしてきている…。

自分を育ててきた教団の真実を知り、絶望するArcher。ただ生贄にされる時を待つばかりとなっていたその時、まばゆく光る天使が現れ、彼に告げる。「Armstrongを助けるのだ!」再び力を取り戻すArcher。そこに自力で脱出したArmstrongも現れる…。

こうしてこの奇妙な二人組の冒険が始まる!


1万年以上を生きる不死者ではあるのだけど、見た目も中身もいい加減な太鼓腹の酔っ払い親爺であるArmstrongとひたすら生真面目な少年Archerという非常にわかりやすくボケとツッコミを配した形のコメディタッチのストーリー。ライターを務めるのはFred Van Lente。2005年にRyan DunlaveyとともにEvil Twin Comicsを立ち上げ、代表作でもあるノンフィクションコミックAction Philosopherを発表するとともに、同年頃からマーベルでライターとして仕事を始め、数多くの作品を手掛けています。映画化された『Cowboys & Aliens』の作者でもあります。要注目ライターのひとりであり、できれば少し他の作品も読んでから望みたかったところもあるのですが、ちょっとそこまでの余力がありませんでした。それ程片手間では済まなくてある程度腰を据えて読まねばぐらいのライターでもあるわけで。いずれまた他の作品について書くときも遠からず来ると思いますので。しかし後でも出てくるのだけど今回は色々足りないところも多かったりするのですが、とにかくあとから補完するつもりででもやらないとさっぱり前に進まないものなので。とりあえず、この作品に関しては、コメディタッチを基調としながらも時には少し複雑だったりもするストーリーを非常にテンポよく読ませる並々ならぬ実力を感じさせるライターです。最近の仕事はValiantとDark Horseが中心のようで、David LaphamとかスゥイアジンスキーとかもあるしDark Horseももっと頑張って読まなければ。
立ち上げ時の作画はClayton Henry。ジャマイカ生まれのアメリカ育ちで2000年頃から主にマーベルで活躍してきたアーティストのようです。正確なデッサンときれいなラインで迫力のある動きを描きつつ、細かい動作や表情なども丁寧に描く実力のあるアーティストです。ちょっと下世話な話になってしまうけど、こうやって新生立ち上げ時からValiantが実力のあるライター、アーティストをガンガン起用して来るのを見ていると、やっぱり今のアメコミって映画やらデジタルやらで結構バブルなのかな、と改めて実感したり。それでこういうのも必然的にいずれは収束するのかなあ、なんて思ってしまったりもするけど、まあとりあえずは今そういう時に色々なものを読めることを幸いと思っていればいいかな。それまで生きてるかもわかんないですしね。

この主人公のひとりArmstrongには弟がいます。というか実は3兄弟です。第1号の冒頭、Armstrongが不死でなかった太古の昔、死んでしまった末弟のGiladを生き返らせるために長兄のIvarがBoonを起動させ…というところからこの物語は始まります。そしてこの弟Giladもまた生き返って不死者となっており、それが『Eternai Warrior』の主人公なのです。そんなわけでその2で次はArcher & ArmstrongとEternal Warriorでやりま~す、などとうっかり書いてしまったのですが、実はまだその本編の方を読んでいません。というのは私がこのValiantの色々なシリーズを横並びにモタモタ読んでいてまだ『Eternal Warrior』が発行される時点まで辿り着いていないからなのです。だってそれぞれのつながりとか結構あるからちゃんと横並びに読まないとねえ。もっと早く読めよ、という話ですが…。
さて、そのEternal Warrior/Giladですが、この『Archer & Armstrong』5号からの第2シリーズで自身のシリーズより一足先に登場します。兄Armstrongとは正反対の生真面目、剛直、一本気な性格で、会った途端見つけたぞこの野郎!と兄弟喧嘩になります。不死者同士の兄弟喧嘩なのでほぼ普通の殺し合いレベルになってしまうのですが。その後は彼らのまた一つの目的であるGeomancerを守りながらカルト教団Nullとの対決に共闘するという展開になります。先の横並び問題で、この『Archer & Armstrong』は今のところ他の作品のラインからは少し離れているようなのですが、この展開の中でArcherが『Bloodshot』『Harbinger』と因縁の深いプロジェクト・ライジング・スピリットとも関係があるらしいことがちらっとほのめかされたりもします。

ここで旧『Archer & Armstrong』の話となるのですが、実はまだそちらも読んでいません…。というのは、実はこちらでも同じく横並び問題が発生してしまいまして…。旧『Archer & Armstrong』と『Eternal Warrior』は同時に始まっているのですが、それがUnityというイベントの中で、先行する『X-O Manowar』『Harbinger』『Shadowman』あたりと繋がっているという事情なのです。まあ、Unity自体はComixologyでも出ていないのもあるので現時点ではちゃんと読むのは困難なのですが、どうせ繋がるならここで横並びにしておこうかと。そんなわけで先行作品を読むのが遅れているのでちょっとまだ手を付けられないということになっております。申し訳ない。
ただ、後から出た前日譚0号はあまり関係ないのでそれだけは読んでみたのですが、それによると、Archerは牧師夫妻の息子として生まれた信心深い生真面目な少年だったのですが、ある日両親の堕落した悪魔的な秘密を知ってしまい、そのことにより両親の手を逃れ、海を渡ってチベットで修業を積み優れた戦闘能力を身に付け帰ってくるのですが、両親はすでに投獄されており目的を失って街をさまよっているときArmstrongとカルト教団の戦いに巻き込まれる、という形で二人が出会うという設定になっています。少し見た限りでは、旧Armstrongは現在のものより少し毒がある感じのキャラクターに見えます。

というわけで今回は何かと欠落の多いことになってしまったのですが、それよりもまずの反省点はこれほど間が空いてしまったことで、とにかく何よりどんどん先へ進めて行くことを考えるべきだと思っております。しかし、その他にも少しまとめて整理してみると自分で見落としていたことも多くて、3兄弟で下の2人が不死者になったのなら長兄Ivarはどうなったの?と今更気付いたり。あっ、最近始まった『Ivar, Timewalker』っていうのがそれなのかな?その1で少し解説してからずいぶん時間が経ち、現行Valiantもずいぶん様変わりしているようなのですが、今の時点では私もよくわかっていなくて、なんとか追っかけながら説明していければいいな、と思っています。今月からはJeff Lemireによる『Bloodshot : Reborn』も始まっていて、しかしJeff Lemireと言えばマーベルのHawkeyeも始まったようだしどこまで大物になるのだろう、早くきちんと追っかけなければ、などと今回は宿題ばかりがたまって行く感じになってしまいました。なんにしても次はなるべく間を空けず早くやって行くつもりです。次回その4は『Shadowman』!いろいろ頑張って行こうという気持ちを込めて、今回はこの言葉で締めようと思います。

つづく!



Fred Van Lente >>writer at large

●関連記事

Valiant その1 -X-O ManowarとHarbinger-

Valiant その2 -Bloodshot-


●Archer & Armstrong


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